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ペロブスカイト太陽電池は待つべき?家の屋根にはいつ来るのか【2026年版】

みなさん、こんにちは!株式会社グローバルエナジーの宮本です。

最近、ニュースでよく見る「ペロブスカイト太陽電池」。2026年10月20日には、パナソニックが「2029年4月から本格的に量産する」と発表しました。「新しい太陽電池が出るなら、今の太陽光は待った方がいいのでは?」というご相談も、本当によく聞かれます。

私たちは今の太陽光を販売する立場です。だからこそ、この記事では「待った方がいい家」の条件も正直にお伝えします。2026年10月の時点で分かっていることを、できるだけ分かりやすく整理しました。

この記事の要点

  • ペロブスカイトは薄くて、軽くて、曲がる、日本生まれの太陽電池。材料のヨウ素は、日本が埋蔵量で世界一です。
  • 2026年10月時点で、家の屋根に付ける製品は、一般にはまだ売られていません。住宅向けは2028年度に売り出す計画が出ている段階です。
  • 今の家の屋根なら、同じ広さでは今のパネルの方がたくさん発電します。待った方がいいのは、3つの条件に当てはまる家です。

ペロブスカイト太陽電池とは?

薄くて、軽くて、曲がる太陽電池

ペロブスカイト太陽電池は、2009年に桐蔭横浜大学の宮坂力さんが発表した、日本生まれの太陽電池です。

今の太陽光パネルは、シリコンという材料を、強化ガラスとアルミの枠で守っています。だから丈夫ですが、重い。重さに耐えられる屋根にしか載せられません。ペロブスカイトは、材料を薄く塗って作れるので、フィルムのように薄く、軽く、曲げられます。積水化学工業のフィルム型は、厚さ約1ミリです。

つくりの違い(断面のイメージ)

今のパネル(シリコン)

強化ガラス
封止材
シリコンのセル
封止材
バックシート

左の灰色はアルミの枠。ガラスと枠で守るので重い

ペロブスカイト(フィルム型)

保護フィルム
封止材
ペロブスカイトの層(とても薄い)
封止材
バックシート

ガラスも枠もなし。全体で厚さ約1ミリ(積水化学のフィルム型)

※分かりやすくしたイメージです。実際の層の数・厚さは製品によって違います。

軽くて曲がるので、今まで載せられなかった場所に付けられます。重さに弱い工場の屋根、ビルの壁、窓など。ここがいちばんの強みです。

材料のヨウ素は、日本が埋蔵量で世界一

もう1つ、日本にとって大きいのが材料です。ペロブスカイトの主な材料の1つはヨウ素。うがい薬にも入っている、あのヨウ素です。

米国地質調査所のまとめでは、日本のヨウ素の埋蔵量は約490万トン。世界全体(約620万トン)の約8割が日本にあり、世界一です。とれる量(産出)も、チリに次ぐ世界2位。国内のヨウ素の多くは、千葉県の地下からくみ上げる水からとれます。

ヨウ素の埋蔵量(国別)

日本
約490万トン
チリ
約61万トン
アメリカ
約25万トン

※世界全体は約620万トン。2024年の産出はチリ約22,000トン、日本約9,300トン。
出典:米国地質調査所[Mineral Commodity Summaries 2025 – Iodine(PDF・英語)](2026年10月23日確認)

つまり、ペロブスカイトは材料から日本で作れる太陽電池です。エネルギーを海外に頼らない、という意味でも、とても大事な技術です。国も、2040年に約2,000万kWを入れる目標を出しています。

ペロブスカイトには3つの型がある

ニュースを見ていると、話がばらばらに見えることはありませんか。それは、ペロブスカイトに大きく3つの型があり、ニュースごとに違う型の話をしているからです。

フィルム型

曲がる・とても軽い

主な会社:積水化学工業
付ける所:工場などの軽い屋根、壁

ガラス型

発電するガラス

主な会社:パナソニック
付ける所:ビルの窓や壁

重ねる型(タンデム型)

今のパネル+ペロブスカイト

主な会社:カネカ
付ける所:家の屋根から始める計画

ポイント

2026年10月20日のパナソニックの発表は、ガラス型の話です。ビルの窓や壁を「発電するガラス」にするもので、家の屋根の話ではありません。

2026年10月の今、どこまで来ている?

各社の発表を、時間の順に並べるとこうなります。

2026年3月
積水化学工業がフィルム型の事業を開始。今年度は今ある設備で作れる分だけで、売り先は国や東京都の事業に選ばれた自治体・事業者。工場などの金属屋根向け
2026年9月
パナソニックがガラス型の先行量産品を販売開始(窓・壁向け)
2027年度
積水化学工業が100メガワット規模の生産ラインを立ち上げる計画
2028年度
カネカが重ねる型の製品販売を始める計画。住宅を起点にする方針
2029年4月
パナソニックがガラス型の本格量産を始める計画
2040年
国の目標:ペロブスカイトを約2,000万kW入れる

※濃い青は始まったこと、薄い青とオレンジは計画・目標。
出典:積水化学工業[SOLAFIL 事業開始のお知らせ]、パナソニックHD[2026年10月20日の発表]、カネカ[2026年2月6日のお知らせ(PDF)]、日刊工業新聞[ニュースイッチ]、経済産業省[次世代型太陽電池戦略(PDF)](2026年10月23日確認)

まとめると、2026年10月時点で、家の屋根に付けるペロブスカイトは、一般にはまだ売られていません。家の屋根にいちばん近いのは、2028年度に住宅から売り出す計画の「重ねる型」です。

今のパネルと比べると?

「新しい方が、性能も上なのでは?」と思われるかもしれません。ここが、いちばん誤解されやすいところです。

今のパネル(シリコン) フィルム型ペロブスカイト(2026年)
発電の効率 20%前後が多い 約15%(報道)
もつ年数 出力の保証20〜25年が多い 耐久性10年(報道)
重さ 重い とても軽い
家の屋根用 買える まだ一般には売られていない

※今のパネルの数字は一般的な値です。効率・保証の年数はメーカー・製品で違うので、仕様書・保証書で確認してください。フィルム型の数字は日本経済新聞[積水化学工業系、ペロブスカイト太陽電池の販売を開始]の報道によります。

いま売られているフィルム型の効率は、報道では約15%。今の家の屋根のパネルは、20%前後のものが多くあります。つまり、同じ広さの屋根なら、今は今のパネルの方がたくさん発電します。もつ年数も、今のパネルは出力の保証が20年、25年というものが多いのに対し、フィルム型は報道で10年です。

ニュースで「効率〇〇%を達成」と見ることがありますが、多くは研究室の小さな試作品の記録です。研究では今のシリコンとほぼ同じ水準まで来ていますが、売られている製品の数字とは別に見る必要があります。

これは、売る側の私たちだけが言っていることではありません。積水化学工業の開発の責任者は、2023年のテレビ番組で「今の屋根のシリコンの代わりを狙うのではなく、載せられない場所を狙う」という趣旨を話しています。発明者の宮坂さんも、同じ番組で「しばらくはシリコンと共存していく」という趣旨を話しています(BS-TBS「Bizスクエア」2023年7月、TBS NEWS DIG)。

ポイント

2026年の時点では、ペロブスカイトは「今のパネルの上位版」ではなく、「今のパネルが載らない場所に付けるもの」と考えるのが正しいと思います。

待つと、何を失う?

正直に言うと、家の屋根の本命は、たぶん「重ねる型」です。カネカは、将来40%以上の効率に挑戦するとしています。今のパネルより多く発電できるようになるかもしれません。

ただ、2028年度はあくまで「計画」です。値段も、何年もつかも、まだ発表されていません。出てすぐは数も少ないので、ふつうの家に広がるのは、もう少し先だと考えています。

そして、待っている間も、電気は電力会社から買い続けます。たとえば5kWのパネルを載せる家なら、1年で約5,500kWhを作れる計算です。

5kWの太陽光を待っている間に、作れなかった電気

1年待つ
約5,500kWh
2年待つ
約11,000kWh
3年待つ
約16,500kWh

※1kWあたり年間約1,100kWh発電するとして計算。地域・屋根の向き・角度で変わります。

電気の値段が上がっている今、この分を買い続けるかどうかは小さくありません(電気代が上がる理由は👉 電気代はなぜ上がる?の記事)。

今のパネルは、20年以上使うものです。今載せられる家は今載せて、次に屋根をやり直すときに、そのとき一番いいものを選ぶ。ペロブスカイトは、壁など今のパネルが載らない場所に、将来足す。私たちは、この考え方がいちばん損をしにくいと考えています。

待った方がいい家の3つの条件

もちろん、待った方がいい家もあります。次の3つです。

1屋根が重さに耐えられない家

古い家で、屋根の強さが足りないと言われた。今のパネルが載せられないなら、軽いペロブスカイトを待つ意味があります。ただ、今のパネルにも軽いタイプがあるので、まずは屋根を見てもらってください。

2数年のうちに、屋根のリフォームか建て替えの予定がある家

今載せても、数年後にいったん外すことになります。それなら、リフォームや建て替えのときに、そのとき一番いいものを選ぶ方がいいです。

3今のパネルを載せる場所がない家

屋根が北向きしかない、狭い、形が複雑。今のパネルでは載せられる量が少なすぎる家は、壁や曲がった場所にも付けられるペロブスカイトを待つ価値があります。

結論

この3つに当てはまらない家は、ペロブスカイトを待つ理由はあまりありません。迷ったら、まず屋根の状態を見てもらうところから始めてください。

ニュースを見るときの3つのポイント

これからもペロブスカイトのニュースは増えると思います。見るときは、次の3つだけ確かめてください。

  • 家の屋根用か(窓・壁・工場の屋根の話ではないか)
  • 何年もつか、保証は何年か(研究室の記録ではなく、製品の数字か)
  • いつ、どれくらいの量が出るか(「計画」か、もう売られているか)

よくあるご質問

Q.家の屋根用のペロブスカイトは、いつ買えますか?

A.2026年10月時点では、一般向けにはまだ売られていません。カネカが2028年度に、住宅を起点に「重ねる型」の販売を始める計画を出しています。ただし計画の段階で、値段や出る量はまだ分かりません。

Q.ペロブスカイトの方が、今のパネルより効率がいいのですか?

A.研究室の記録では、今のシリコンとほぼ同じ水準まで来ています。ただ、いま売られているフィルム型の製品は、報道では約15%で、今の家の屋根のパネル(20%前後が多い)より低めです。今のパネルに重ねる型は、今のパネルより高い効率を目指して開発が進んでいます。

Q.うちは待った方がいい家か、今付けていい家か、見てもらえますか?

A.はい。屋根の向きや広さ、強さ、リフォームの予定、電気の使い方を伺って、この記事の3つの条件に当てはまるかを一緒に確認します。お気軽にご相談ください。

太陽光・蓄電池のご相談は、杉並区浜田山のグローバルエナジーへ

「うちは待った方がいい家?」「屋根に載せられるか見てほしい」という方は、東京都杉並区浜田山の株式会社グローバルエナジー(GE)にお気軽にご相談ください。太陽光・蓄電池・エコキュートのご相談を承っています。

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参考資料(2026年10月23日確認):積水化学工業[SOLAFIL 事業開始のお知らせ][新CMのお知らせ]、パナソニックHD[ガラス型ペロブスカイト太陽電池の本格量産計画]、カネカ[NEDO グリーンイノベーション基金事業に採択]、日刊工業新聞[ニュースイッチ]、日本経済新聞[積水化学工業系、販売を開始]、米国地質調査所[Iodine 2025]、千葉県[ヨウ素]、経済産業省[次世代型太陽電池戦略]、JST[京都賞(宮坂力さん)]

執筆:株式会社グローバルエナジー 取締役 宮本(たけぞー)

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