みなさん、こんにちは!株式会社グローバルエナジーの宮本です。
11月の電気代のお知らせを見て、「何も変えていないのに、また上がった」と感じた方は多いと思います。たとえば東京電力で、1か月に500kWhくらい使うご家庭(従量電灯B・40A)なら、10月分は16,913円、11月分は19,244円。1か月で2,331円の値上がりです。
この記事では、この2,331円を明細の行ごとに分けて、何がいくら上がったのかを見ていきます。あわせて、12月分以降の見通しと、10月29日に決まった冬の国の割引が、どの月の請求から入るのか、そして「効く対策・効かない対策」もお伝えします。
この記事の要点
- 11月分の値上がり2,331円のうち、1,750円(約4分の3)は国の割引が終わった分です。料金そのものが上がったのとは少し違います。
- 電線代(託送料金)の見直しで、基本料金が約26%アップしました。基本料金は、電気を使わなくてもかかります。
- 冬の国の割引は、1月分の請求から入り、大きく効くのは2月分・3月分です。12月分は割引がなく、さらに少し上がります。
11月分の明細を、行ごとに分けてみる
東京電力の「従量電灯B・40A・月500kWh」のご家庭で、10月分と11月分を行ごとに並べると、こうなります。
10月分と11月分の内訳(東京電力・40A・月500kWh)
| 項目 | 10月分 | 11月分 | 差 |
|---|---|---|---|
| 基本料金(40A) | 1,247円 | 1,568円 | +321円 |
| 電力量料金(500kWh) | 18,226円 | 18,251円 | +25円 |
| 燃料費調整額 | −2,900円 | −2,665円 | +235円 |
| 再エネ発電賦課金 | 2,090円 | 2,090円 | 0円 |
| 国の値引き | −1,750円 | 0円 | +1,750円 |
| 合計 | 16,913円 | 19,244円 | +2,331円 |
※東京電力の公表の単価から計算した目安です(円未満を四捨五入。再エネ賦課金は2026年度の4.18円/kWh)。同じ計算で東京電力の平均モデル(月260kWh・30A)を出すと、10月分8,275円→11月分9,561円(+1,286円)となり、公表額と一致します。50Aなら11月分19,636円(+2,412円)、60Aなら20,028円(+2,492円)です。実際の明細では、国の値引きが燃料費調整額の中に含めて書かれていることがあります。11月分は、1か月まるごと新しい料金で計算した額です(くわしくは下の「よくあるご質問」)。
出典:東京電力エナジーパートナー[燃料費調整のお知らせ][従量電灯B・C](2026年10月30日確認)
上がった行を、理由ごとにまとめると3つです。
2,331円の内訳(大きい順)
※電線代の346円は、基本料金の+321円と電力量料金の+25円の合計です。
ニュースでよく聞く「燃料」は、実はいちばん小さい理由でした。ここから、大きい順に見ていきます。
理由1:国の割引が終わった(+1,750円)
いちばん大きいのは、国の電気代の割引が終わったことです。2026年の夏は、7月〜9月に使った電気に、国の割引が入っていました(家庭向けの低圧で、1kWhあたり7月・9月は3.5円、8月は4.5円)。
10月分の請求は「9月に使った分」なので、1kWhあたり3.5円の割引が入っていました。500kWhなら1,750円です。11月分の請求は「10月に使った分」で、割引はもうありません。
ポイント
11月の値上がりの約4分の3は、料金が上がったのではなく、割引がなくなっただけです。国の割引は、これまでも期間を区切って入っては終わる、をくり返してきました。割引で下がった電気代は、割引が終わると元に戻ります。
理由2:電線代の見直しで、基本料金が約26%アップ(+321円)
電気は、発電所から電線や電柱を通って家に届きます。この電線や電柱を保つためのお金を「託送料金」といい、もともと電気代の中に入っています。これが2026年11月1日から見直されました。
東京電力のふつうのプラン(従量電灯B)では、この見直しのほとんどが基本料金に乗りました。使った量にかかる単価は、1kWhあたり5銭しか変わっていません。契約のアンペアごとの基本料金は、こうなりました。
アンペア別の基本料金(東京電力 従量電灯B・税込)
| 契約 | 10月分まで | 11月分から | 差 |
|---|---|---|---|
| 30A | 935円 | 1,176円 | +241円 |
| 40A | 1,247円 | 1,568円 | +321円 |
| 50A | 1,559円 | 1,960円 | +402円 |
| 60A | 1,871円 | 2,352円 | +482円 |
※円未満を四捨五入。出典:東京電力エナジーパートナー[従量電灯B・C](2026年10月30日確認)
10アンペアごとに、月80円ずつ上がっています。40アンペアなら月321円、60アンペアのご家庭なら月482円です。
ここで覚えておいていただきたいのは、基本料金は、電気を1つも使わなくてもかかるお金だということです。節電をがんばっても、この分は1円も減りません。このあとの「効く対策・効かない対策」で、この点が効いてきます。
理由3:燃料の値段は、2か月おくれで乗ってくる(+235円)
3つめは、発電に使うガスや石炭、石油の値段です。明細の「燃料費調整額」の行で、毎月変わります。
ポイントは、おくれて乗ってくることです。3か月間の燃料の値段を平均して、その2か月あとの電気代に反映するしくみになっています。ですから、ニュースで「燃料が上がった」と聞いても、電気代に出てくるのは数か月あとです。
また、従量電灯のような昔からのプランには、燃料で上がる分に上限があります。一方、自由料金のプランには上限がありません。燃料がとても高くなったときは、プランによって上がり方が変わります。
東京以外の地域も、大手10社すべてで上がる
11月分の値上がりは、東京電力だけではありません。各社が公表している平均モデル(月230〜260kWh)で比べても、大手の電力会社10社すべてで上がっています。
大手10社の11月分の値上がり(各社の平均モデル)
| 電力会社 | 10月分からの値上がり |
|---|---|
| 沖縄電力 | +1,578円 |
| 中部電力ミライズ | +1,492円 |
| 東北電力 | +1,486円 |
| 四国電力 | +1,412円 |
| 中国電力 | +1,326円 |
| 関西電力 | +1,318円 |
| 東京電力エナジーパートナー | +1,286円 |
| 北海道電力 | +1,286円 |
| 九州電力 | +1,239円 |
| 北陸電力 | +835円 |
※各社の平均モデル(月260kWh。北海道・北陸は230kWh、九州は250kWh)で、11月分を1か月まるごと新しい料金で計算した額です。モデルの条件は会社ごとに少しずつ違います。出典:各社の2026年9月29日の発表(2026年10月29〜30日確認。東京電力・沖縄電力・北陸電力は10月30日に照合)
北陸電力だけ上がり方が小さいのは、北陸電力では電線代(託送料金)の見直しが料金に入っていないためです。金額は地域で違いますが、上がった理由はどこもほとんど同じです。
12月分はさらに340円。冬の国の割引は「1月分」から
東京電力は、12月分の燃料費調整の単価も発表しています。1kWhあたり0.68円上がるため、月500kWh・40Aのご家庭なら12月分は19,584円。11月分よりさらに340円上がります(東京電力の平均モデルでは9,738円、+177円)。
一方で、10月29日に、国が冬の電気代の割引を行うことを決めました。家庭向け(低圧)の値引きは、1kWhあたり次のとおりです。ここで気をつけたいのは、「使った月」と「請求の月」がずれることです。
国の割引が入る請求のカレンダー(低圧・1kWhあたり)
| 請求(検針)の月 | 使った月 | 国の割引 |
|---|---|---|
| 10月分 | 9月 | 3.5円 |
| 11月分 | 10月 | なし |
| 12月分 | 11月 | なし |
| 1月分 | 12月 | 1.0円 |
| 2月分 | 1月 | 4.5円 |
| 3月分 | 2月 | 4.5円 |
| 4月分 | 3月 | 今のところなし |
※「〇月分」は、その月の検針日に確定する請求です(東京電力の場合)。たとえば「12月に使った分」は、12月中の検針日から1月中の検針日までの使用分で、1月分の請求になります。「4月分」以降は、2026年10月30日時点で発表されていません。
出典:経済産業省[2026年7〜9月使用分の支援]、資源エネルギー庁[エネルギー価格の支援について][電気・ガス料金支援](2026年10月30日確認)
つまり、11月分と12月分は割引がない時期です。1月分は1kWhあたり1.0円とまだ小さく、大きく効くのは2月分と3月分です。例えば1か月に500kWh使う家なら、1月分で500円ほど、2月分・3月分はそれぞれ2,250円ほど安くなる計算です。冬は使う量が増えるので、実際の値引きはもう少し大きくなります。
ただし、この割引も期間限定です。今のところ、3月に使った分(4月分の請求)からは割引がありません。
その対策、効く?効かない?
ここまでの理由を、2つに分けます。国の割引の終わりと燃料は、使った量にかかるお金。基本料金は、使わなくてもかかるお金です。よく言われる対策が、それぞれに効くかを並べてみます。
対策の○×判定
| 対策 | 使った量にかかる分 | 基本料金 |
|---|---|---|
| こまめに消す | △ | × |
| 電力会社を乗り換える | △ 会社による |
△ 電線代はどこも払う |
| 国の割引を待つ | ○ 期間限定 |
× |
| 契約のアンペアを見直す | × | ○ |
| 太陽光 | ○ 昼の分 |
× |
| 太陽光+蓄電池 | ◎ 昼も夜も |
× |
こまめに消す:半分しか効かない
使う量は、たしかに減ります。でも、基本料金には効きません。それに、冷蔵庫は止められませんし、冬の暖房も止められません。暖房の電気代の考え方は👉 冬の暖房の電気代の記事、節電のコツは👉 冬の電気代の記事にまとめています。
電力会社を乗り換える:比べるのはあり。ただ電線代は消えない
乗り換えで安くなる家もあるので、比べてみるのはありです。ただ、電線代(託送料金)は、どの電力会社も電線の会社に払っています。乗り換えても、この分がなくなるわけではありません。燃料の分の決め方や、国の割引に参加しているかも、会社やプランで違います。
契約のアンペアを見直す:基本料金に効く、ただ1つの対策
東京電力の11月からの基本料金は、10アンペアで月392円です。例えば40アンペアを30アンペアにすると、月392円下がります。
ただし、下げすぎるとブレーカーが落ちます。エアコンと電子レンジとドライヤーを一緒に使ったら、バチン。ご家族の人数や、オール電化かどうか、冬に暖房を何台使うかで、合うアンペアは違います。変えたいときは、契約している電力会社に申し込みます。条件や工事の有無も、電力会社に確かめてください。
太陽光・蓄電池:買う電気の量そのものを減らす
燃料の分も、割引がなくなった分も、それに再エネ賦課金も、全部「電力会社から買った電気の量」にかかっています。ですから、買う量が減れば、3つまとめて減ります。
屋根の太陽光で作って自分で使った電気は、電力会社から買わなくて済みます。自分で使った分には、再エネ賦課金もかかりません(👉 電気代はなぜ上がる?の記事)。ただ、太陽光は昼しか発電しません。昼に余った電気をためて、夜に使えるようにするのが蓄電池です。
とはいえ、太陽光も蓄電池も、どの家にも合うわけではありません。屋根の向きや広さ、昼に家にいるかどうかで、合う・合わないが変わります。良いところと気をつけたいところは👉 蓄電池のメリット・デメリットの記事にまとめています。
まとめ
- 11月分の値上がりの約4分の3は、国の割引が終わった分
- 電線代の見直しで、基本料金は電気を使わなくても上がった
- 12月分はさらに少し上がり、冬の割引は1月分から、大きく効くのは2月分・3月分
- 自分で決められるのは、契約のアンペアと、買う電気の量
まずは、お手元の電気代の明細かアプリを開いて、契約のアンペアと、1か月に何kWh使っているかを確かめてみてください。
よくあるご質問
電気代のご相談は、杉並区浜田山のグローバルエナジーへ
「うちのアンペア、このままでいいのかな」「太陽光や蓄電池で、買う電気がどれくらい減りそうか知りたい」という方は、東京都杉並区浜田山の株式会社グローバルエナジー(GE)にお気軽にご相談ください。電気代の明細やアプリの画面を見ながら、一緒に考えます。太陽光・蓄電池・エコキュートのご相談を承っています。
お電話:03-6419-7370
株式会社グローバルエナジー(本社:東京都杉並区浜田山3丁目34番2号 プラスワンビル3階)
参考資料(2026年10月29〜30日確認):東京電力エナジーパートナー[燃料費調整のお知らせ][従量電灯B・C][燃料費調整制度とは]、経済産業省[2026年7〜9月使用分の電気・ガス料金支援]、資源エネルギー庁[エネルギー価格の支援について][電気・ガス料金支援]、沖縄電力[2026年11月分の燃料費等調整]、北陸電力[2026年11月分の燃料費調整単価]ほか大手各社の2026年9月29日の発表
執筆:株式会社グローバルエナジー 取締役 宮本(たけぞー)